ギリシャのソブリン債問題を引き金に、ヨーロッパ他国やアメリカ、日本の財政赤字についても危険性が指摘されはじめてますね。
ユーロ諸国の融資は3年間で800億ユーロ(約9兆3300億円)で、IMFが300億ユーロを加えて計 1100億ユーロ(約12兆8300億円)を貸し出すそうです。これは借金なので、将来返さなければいけません。ホントに返せるのか?
で、以前から思っていたんですが、これよりずっと規模が大きいのが日本です。年間約500兆円のGDPに対し、政府の借金が約1000兆円です。日本国内で稼ぐお金をそっくりそのまま借金返済についやして、2年間かかる計算になります。
あまり悲観論ばかりを話すのは好きじゃないんですが、楽観論者の意見はちょっと楽観すぎないか、と疑いたくなります。
楽観論者の主な意見はこんな感じ。
1)日本には約1400兆円の個人資産があるから大丈夫
2)国債(国の借金)の9割以上は日本国内にあるから大丈夫
3)日本は米国債をもってるから、いざとなったら売りさばけばいい
4)日本の信用力はギリシャと比べ物にならない
5)いざとなったら日銀が国債買い取ればいい
これについては
大前健一さんの記事が一部参考になりました。やっぱり日本危なさそう。
まず1)の個人資産が約1400兆円ある件ですが、これは政府の資産でなく国民個人の資産です。いまの段階で国民が苦しい苦しいといっているのに、その資産を政府の借金にすすんで返すと思います?楽観論者は個人と政府のお金がごっちゃになっています。
2)の国債の国内消化率ですが、国内の金融サービスは原則低金利です。そのうち日本が危ないと思ったら、個人でも海外に資産を移す人が増えてくるかもしれません。そうすると郵貯離れも含めて国債の買い手がさらにヘリ、悪循環に陥いる可能性があります。
3)の米国債ですが、2009年末で7688億ドル(約69兆円)しかありません。借金返済には金額が1桁以上たりません。
4)の信用力ですが、現時点では確かにあります。でも日本の場合、信用が落ちてからでは手のうちようがありません。ギリシャのように、他国やIMFが援助できる規模を超えています。そうなると、気がついたら雪崩のように信用が崩れる可能性があります。
5)の日銀(もしくは財務省)の介入ですが、結局買い取られても借金は借金なので、いつか返さなくてはなりません。通貨供給を増やしてインフレにして、現在の借金の価値を軽減するという方法もありますが、この場合は個人資産も価値が減るため、すでにお金を貯めている人達が痛い目を見る事になります。
これらの借金の他、新興国の台頭による国際競争力の低下、高齢化問題、政治の混乱など、状況は決して明るくはありません。
日本の経済復活に向けて動くのと同時に、個々人が世界にも目を向けて自分を守らなければいけない時代になっていると思います。